横浜市立大学が先月画期的な研究成果を発表した。
ファイザーのワクチンを接種した人の血清を調査したところ、9割に、従来型のコロナウイルスのほか、イギリス型、インド型など今知られている変異種に対しても抗体が検出されたということ。それも90%の人に認められた、というものである。
ファイザーのワクチンを接種した人の血清を調査したところ、9割に、従来型のコロナウイルスのほか、イギリス型、インド型など今知られている変異種に対しても抗体が検出されたということ。それも90%の人に認められた、というものである。
これをどう考えるのか。
これを以って、ワクチンは大変に有効だ、と考えている方も多い。
ワクチン慎重派の一人の私としてもこの論文をスルーはできないだろう。
ということで、コメントを発表する。
1)簡単に言うと、この実験は in vitro であるということ。つまり試験管内の実験であるのだ。
問題は、これが実際の医療で本当に効くのか、ということ。
実際に、ワクチンを打つと、いろいろな変異種にも対応できるのか、しているのか、ということが大事であろう。
また、医療研究の宿命として、試験管の中、実験室の中だけでうまくいっても、実際の医療では使えないものも多い。これはどうなのか。
インド型が新しく出てきたが、最近は、新しいウイルスの変異種が続々と世界各国で報告されている。
これが国内に入ると、1ヶ月ほどで、従来のウイルスを押しのけて全国に蔓延する。それらに対してどうなのか、ということである。
それはこれからの調査が待たれるところであろう。
2)また、ワクチンが有効であっても、副反応はどうなのか、ということが大事である。
いくら抗体を持てて、コロナのいろいろな変異種に対して医療の現場で有効であっても、副反応が強すぎてはワクチンとは言えない。
手術は成功したが患者は死んだ。
癌は制圧できたが、患者は副作用のため、亡くなった。
ワクチンは有効であるが、接種者に重大な副反応があった。
では困るのである。
副反応のことはいろいろ上がってきている。
それについては既に当ブログでコメントした。
私にはけっこう甚大であると思う。
当ブログの参考記事:
コロナ・ワクチン悲話 総まとめ (令和3年5月22日)
高齢者 ワクチン摂取の副反応 (令和3年5月20日)
アストラゼネカ製ワクチン 40代男性 小腸 2m 失う (令和3年5月17日)
ワクチン 耳鳴りという副反応 (令和3年5月12日)
アストラゼネカのワクチンで下腿切断 やっぱりヤバい (令和3年5月10日)
3)さらに、ワクチンは有効で、しかも副反応も問題にする程度ではないにしても、実際の運用面ではどうなのか、ということも大事である。
当初、ワクチンはコロナに対する抗体を産生するが、それは3-6ヶ月で産生しなくなる、とアナウンスされていた。故に半年後にまたワクチンを接種しなければならない、と言われていた(不思議なことに今はそのようなことは言われていないようである)。
しかし、コロナが蔓延している限り、ワクチンを定期的に打ち続けなくてはならないだろう。それは半年ごとかもしれないし、1年ごとかもしれない。
ファイザーの人は、3回打つべきだ、というコメントも出している。
ワクチン接種。今、行われている。
ニュースでも連日報道されているが、なかなか大変な作業である。
これを半年ごと、あるいは1年ごと、定期的にするのか、ということである。
それは現実的なのか、ということが問題である。
4)ワクチンが有効で、副反応も然程(さほど)ではなく、運用面も滞りなく行われるようになった。最後の問題はお金の問題。これが最も大事であると私は思う。
日本国民1億人に対して2回打つ。一回2000円と言われているが、ワクチンの経費でだけで、2000円 x 2回 x 1億人 = 4000億円 がかかる。
これをどう捻出するのか。
半年ごとに打つのなら、8000億円かかることになろう。
こうなるとどこかを節約しなければならなくなる。
先日、後期高齢者の2割負担が国会で可決された。
2020年から運用されるという。
これは国民に、特に後期高齢者に大変な負担を強いることになろう。
これで節約できる医療費は600億円と言われている。
「ワクチンと後期高齢者の医療費の予算は出どころが違う」
と言われたらそれまでであるが、お金を出すことろは同じ。
つまり我々の税金である。
関連していると考えるのが自然であろう。
上記、1)−4)までの関門をクリアできるのか、どうクリアするのか、それは今後の課題であろう。
横浜市立大学の研究結果は一つの明るい話題ではあるが、今の時点でまだまだ手放しで喜べるものではないだろう、と私は考えている。
2回接種、9割に変異株抗体 ファイザー製ワクチン―横浜市立大
2021年05月12日16時53分
横浜市立大の山中竹春教授らの研究チームは12日、米製薬大手ファイザーの新型コロナウイルスワクチンの接種を2回受けた人の約9割に、英国型などの変異株への感染を防ぐ中和抗体があったと発表した。1回の接種では不十分だったという。山中教授は「集団免疫に期待が持てる結果が出た。現在の変異なら、既存ワクチンで対応できるのでは」と話した。
研究チームは、ファイザー製ワクチンの接種を受け、新型コロナの感染歴がない同大付属病院の職員ら105人を調査。英国型や南アフリカ型など7種類の変異株と従来株の計8種類に対する抗体保有率を調べた。
英国型への抗体保有率は、1回目の接種後は18%だったが、2回目の後は94%に増加。同様に南ア型は21%が90%に、ブラジル型は16%が94%にそれぞれ上昇した。インド型も37%が97%に上がった。
学術的な内容 横浜市立大学ホームページより
https://www.yokohama-cu.ac.jp/news/2021/20210512yamanaka.html
新型コロナ変異株に対するワクチン接種者の約9割が 流行中の変異株に対する中和抗体を保有することが明らかに
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