2021年11月20日土曜日

出生地 東舞鶴を半世紀ぶりに訪問する

出生地 東舞鶴を半世紀ぶりに訪問する

 いよいよ京都へ 舞鶴へ 行くことになった。
 京都の紅葉は素晴らしいと聞いている。
 それを一度見たいと思う。
 さらに舞鶴にも行ってみたい。

 舞鶴は少年時代の情景の舞台。

 自分の故郷はあくまでも函館であると思っているし、そうである。
 そこは十八歳の高校を卒業するまで過ごした場所。
 少年時代の情景の現実の場所である。

 舞鶴は生まれた場所であり母の実家。二歳のころに函館に移った。
 もちろんそのころの記憶はない。
 幼稚園時代に何度か行き、数ヶ月過ごした場所(と自分では思っている)。
 半世紀以上経過した今思うに、そこは御伽噺の世界。

 函館は雪が降ったり風も強く気候の厳しいところなのかもしれない。
 それと比べると舞鶴は、ほんわかとして温暖なところ。風も弱い。
ように感じている。

 そこは正に 
異界であった。
 狐が化けたり、人を騙したり、狐の嫁入りの火が並び歩いたり。
 狐に化かされて、持っていた油揚げが石に変えられたり、風呂だと思いいい気になって肥えダメに浸かっている人がいたり。狐に化かされたのだろう、と言われている。

少年時代の情景 第6章 舞鶴 より
少年時代の情景 第14章 奇譚

 家は当たり前の庶民の家であったが、本格的で歴史的な日本家屋。
 部屋はすべて障子で仕切られ、庭に面して縁側があった。
 庭の一角に鶏小屋があり、よく昼間は外に鶏(にわとり)が出てきていた。
 朝にはそこから卵を取り食べるのである。
 というか、鶏も絞めて食べていたとのこと。
 骨は鶏ガラスープにして飲んでいた。

 したがって家でも鶏ガラスープをよく食べた。

 今でも時々作る。スーパーから鶏ガラを買ってきてぐつぐつ煮るだけである。
 もちろん多少は味は整える。
 鶏ガラはもちろん肉が剥がされたものであるが、小生は食べなれているお陰でどこに肉が多く、どこの骨が柔らかて食べられるか、ということがはっきりと分かっている。

 庭の一角に小さな池があり、そこには金魚かフナがいた。

 その隣に井戸がある。
 そして風呂があった。
 母屋と離れてトイレと井戸があるのである。

 おばあちゃんと見た、近所にあったあの防空壕はどうなっているだろうか。
 二つ並んであったのだが。
 何度か中に入ろうとしたが怖いのでやめていた。
 そもそもまだあるのだろうか。

 海軍基地の跡の建物はどうなったのだろうか。
 
 グーグルでみると、以前に住んでいたところは空き地になっているようだ。
 小生が生まれたと言う、舞鶴共済病院はまだある。
 また、おじいちゃんが入院していた舞鶴市立病院は舞鶴医療センターと今風の名前になったようだ。
 函館に帰る前におじいちゃんのお見舞いに行った。
 バルタン星人がどうのこうの、とか言っていたのを覚えている。
 ウルトラマンでバルタン星人が登場したころで、本当に怖がっていたのだ。
 宇宙でロケットがドッキングするとそこからバルタン星人が乗り移ってきた。これは幼少の私にはかなり衝撃であった。こうぇえなあ、と心底思っていた。
 そのことを一生懸命に話したのを覚えている。
 今思えば、これがおじいちゃんとの最後であった。
 ほどなく、おじいちゃんは50台半ばで心臓の病気で亡くなったと言う。
 今ならなんてことはない病気であったのだろう。
 カテーテルかあるいは薬で簡単に治る病気であったと思う。
 
 親戚の家に行ったことがある。山の中腹にある田園地帯の大きな藁葺きの家。
 そこに家の脇に小さな小川が流れていて、そこに小さな池を作り水が流れるようにしていた。
 そこに金魚を飼っていたのである。
 このへんにも防空壕があり、親戚のお兄ちゃん、お姉ちゃんと見に行ったものだ。
 帰りに金魚をもらい、袋に入れて持ち、坂道を走って降りると転んで金魚を道にぶちまけたのである。
 そこは福井県と京都府の県境。山尾寺の近くだそうだ。そこはどのようになっているのであろうか。

 母のおばさんか誰かがここに嫁ぎ、その旦那さんが夜トイレのために離れの便所に行くと山に火がついているのを見たとか。狐の嫁入りである。

 母に、舞鶴の方で、夜に狐の嫁入りをやっている山はどこにあるのか、と尋ねたら「そこは今寺や」とノータイムではっきりと答えが返ってきた。
 そこがここである。小生はこの親戚の家が丹波の国にあると思っていたがここだったのである。
 小生は赤ん坊の時に、夜中によく「キー」とカン高い声を上げて泣いたと言う。おばあちゃん、母親をはじめ一族はこれを大層心配して、一族会議の末に、お払いか何かで拝み屋さんみたいなところに連れて行こうときうことになったという。
 ここは成田お不動様であったという。その場所は東舞鶴に今でもある。
 ここで拝んでもらうと、小生の腹の上から白い煙が上がり消えて行ったという。そしてそれから、そのカンの虫は治ったと言う。
 今まで機会がなくてここ半世紀舞鶴をおとづれたことはない。
 母の実家のあったところだが、そもそも小生が小学三年生の時には宇治市小倉に引っ越してしまった。
 今回、一念発起して、京都の紅葉を見る傍ら、舞鶴も訪れることにした。
 還暦を過ぎた今、4-五歳のころの少年時代の情景の舞台を巡る旅となろう。何やら御伽噺の世界を訪れるような不思議な感じがするのである。
 もちろんGoogleの地図で街並みを拝見した。
 そこにあるのは「異界」ではない、もちろん現実の舞鶴である。
 今やどこの地方都市でも見られるようなちょっと寂れている感じがある。
 それでも良いではないか。
 何やらおとぎの国を訪れる不思議な高揚を覚えている。
 もうすぐ関西空港に着陸である。今、午後六時ちょっと前。

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