令和4年7月1日 以降の記事の目次
試験管内での ヒト肝細胞株を用いての ファイザーのCOVID-19 mRNAワクチンであるBNT162b2の 細胞内での逆転写 (RNAからDNAができること)
画像をクリックすると大きく見られます
元来、分子生物学におけるセントラルドグマは、まず DNA が RNA に転写され、次にその RNA がタンパク質に翻訳される、というものでした。しかし 1970 年代、二つの研究チーム、1 つはウィスコンシン大学のハワード・テミン率いるチーム、もう 1 つはマサチューセッツ工科大学のデビッド・ボルティモア率いるチームが、それぞれ別々にレトロウイルスと呼ばれる RNA ウイルスの複製に関与する新しい酵素を同定したことでそれまでのセントラルドグマに異議が唱えられることになりました [1,2]。これらの酵素は、ウイルスの RNA ゲノムを相補的な DNA (cDNA) 分子に変換し、宿主のゲノムへと組み込ませることができます。これらは RNA 依存性DNAポリメラーゼであり、逆転写酵素と呼ばれます。なぜなら、セントラルドグマである DNA から RNA への流れとは対照的に、これらは RNA をテンプレートとして cDNA 分子へと転写するからです (図1)。1975 年、テミンとボルティモアは逆転写酵素の同定という先駆的な功績によってノーベル生理学・医学賞を受賞しました [3] (同時にレナート・ドゥルベッコも腫瘍ウイルスに関する研究で受賞しています)。
ファイザーとバイオテックにより 行われた コロナワクチンの 前臨床研究は コロナワクチン注入をなされた 動物において 肝臓において逆転写作用を 示した。
更に 最近の研究は SARS-CoV-2 RNAが逆転写されること、そして ヒトの細胞のゲノムの中へ 取り込まれることを 示した。
ゲノム(Genome)とは、一般にある生物(Living Organism)の持つすべての遺伝情報(Heredity Information)を指す
この研究では 試験管内で Huh7という名のヒト肝細胞株を用いて コロナワクチンの効果を 我々は研究した。
Huh7をコロナワクチンで感作させた。そしてその細胞から抽出された RNAを用いて PCRが行われた。
我々は かなりの量のHuh7細胞内のコロナワクチンと 長く広く散財している 核 element-1 (LINE-1)の 遺伝子発現における 変化を 検知した。それは遺伝子内の逆転写酵素である。
遺伝子発現 Gene expression
遺伝子発現とは、単に発現ともいい、遺伝子の情報が細胞における構造および機能に変換される過程をいう。具体的には、普通は遺伝情報に基づいてタンパク質が合成されることを指すが、RNAとして機能する遺伝子に関してはRNAの合成が発現ということになる。また発現される量のことを発現ということもある。
コロナワクチンで処理された Huh7細胞での LINE-1のORFp1に 結合している 抗体を用いた 免疫組織化学的研究は LINE-1が核内での分布が増加していることを 示した。
註:LINE-1とは遺伝子内の逆転写酵素である
コロナワクチンに 感作された Huh7細胞の遺伝子DNAの PCRは コロナワクチンに特異的な DNA配列を増幅した。
我々の結果は ヒト肝細胞株であるHuh7の中への コロナワクチンの急速な取り込み、そして、その取り込みが LINE-1の発現と分布において 変化を誘因していることを 示す。
コロナワクチンのmRNAは コロナワクチンに暴露されて 早ければ6時間で DNAの中へ 細胞内で逆転写されることを 我々はまた示した。
Open AccessArticle
Intracellular Reverse Transcription of Pfizer BioNTech COVID-19 mRNA Vaccine BNT162b2 In Vitro in Human Liver Cell Line
by Markus Aldén 1, Francisko Olofsson Falla 1, Daowei Yang 1, Mohammad Barghouth 1, Cheng Luan 1, Magnus Rasmussen 2 and Yang De Marinis 1,*
1
Department of Clinical Sciences, Lund University, 20502 Malmö, Sweden
2
Infection Medicine, Department of Clinical Sciences, Lund University, 22362 Lund, Sweden
*
Author to whom correspondence should be addressed.
Furthermore, a recent study showed that SARS-CoV-2 RNA can be reverse-transcribed and integrated into the genome of human cells.
In this study, we investigated the effect of BNT162b2 on the human liver cell line Huh7 in vitro.
Huh7 cells were exposed to BNT162b2, and quantitative PCR was performed on RNA extracted from the cells.
We detected high levels of BNT162b2 in Huh7 cells and changes in gene expression of long interspersed nuclear element-1 (LINE-1), which is anendogenous reverse transcriptase.
Immunohistochemistry using antibody binding to LINE-1 open reading frame-1 RNA-binding protein (ORFp1) on Huh7 cells treated with BNT162b2 indicated increased nucleus distribution of LINE-1.
PCR on genomic DNA of Huh7 cells exposed to BNT162b2 amplified the DNA sequence unique to BNT162b2.
Our results indicate a fast up-take of BNT162b2 into human liver cell line Huh7, leading to changes in LINE-1 expression and distribution.
We also show that BNT162b2 mRNA is reverse transcribed intracellularly into DNA in as fast as 6 h upon BNT162b2 exposure.
0 件のコメント:
コメントを投稿