Coロナ関連 目次
あまり関心のない方、知らない方も多いのではないかと思いますが、皆様に降りかかるやかもしれない重要なことですので、多少なりとも関心を持っていただきたいと思い、記事をしたためました。
~第64回九州リウマチ学会~
興味深いためかんたんですが、
症例のサマリーと考察してみました。🤔
各報告:
①抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎
71歳女性 RAあり。
接種後に下肢から肩までの疼痛出現。
「 CK14962 ↑」、抗ミトコンドリアM2抗体陽性。
筋生検にて免疫介在性壊死性ミオパチーがあり。
抗ミトコンドリア抗体陽性筋炎と診断にて、
PSL 45mg から開始。CK値、筋痛改善。PSLは漸減。
接種後の、特発性炎症性筋疾患(自己免疫疾患含む)増加中。
⇒CK高値の時は、抗ミトコンドリアM2抗体のチエックを!
②急性心筋炎
35歳男性。COVID-19後発熱皮疹心機能低下。
COVID-19罹患後の心筋炎。
「フェリチン5991↑」と著明髙値でありサイトカインストームの
反映が考慮された 心筋生検ではCD3陽性細胞、CD68陽性マクロファージの
浸潤、収縮帯壊死があったが、COVID19 PCR陰性唾液鼻腔も陰性
感染後に遅発性の発症が多く、無症候性の心筋炎、もある。
⇒フェリチン高い時は、サイトカインストーム念頭に!
③血球貪食症候群・低補体血症性蕁麻疹
61歳男性。接種で二週後に発熱・多関節痛・紫斑・じんましん。
赤血球、血小板、減少、「フェリチン高値」、sIL-2R高値。
低補体血症 皮膚生検で真皮にリンパ球・好酸球著明浸潤。
低補体血症性じんましん様血管炎(HUVS)で
パルス+PSL40mgで改善。その後、漸減 → 12.5㎎で、感冒・汎血球減少・高フェリチン血症、で再発。
骨髄生検で「脂肪随」および骨髄穿刺で「血球貪食像」
ATG+CsA+EPAGの治療で、回復傾向。
⇒HUVSを発症した症例。フェリチン高いほか、補体値の低下、赤血球、血小板の低下ある。血球貪食症候群も発症。
④IgA血管炎(Ⅲ型アレルギーの病態)
16歳女性 。2回接種後で下腿に紫斑ありIgA血管炎 →グルココルチコイド
9月にCOVID感染。尿蛋白 尿潜血。
難治性ネフローゼ症候群合併IgA血管炎で
リツキシマブで改善。Ⅲ型アレルギーの病態。
⇒Ⅲ型アレルギーの典型的な病態(免疫複合体の組織障害)。ということは、血清病、SLE、関節リウマチ、各種糸球体腎炎などにも注意を要する。なお、IgA血管炎は、ヘノッホ・シェーンライン(Henoch-Schonlein)紫斑病やアナフィラクトイド紫斑病などともよばれる病態である。EAT療法をぜひ行いたい症例。
⑤間質性肺炎を発症した関節リウマチの症例
66歳女性 。基礎疾患:関節リウマチ。
3月に3回目接種。咳と呼吸困難出現。胸部XPとCTで、「すりガラス陰影」。リウマチの活動性はなし。BALF(気管支肺胞洗浄液)でリンパ球上昇。リウマチ関連の肺炎ではなく、ワクチンによる間質性肺炎と診断。大量グルココルチコイドで改善。
リウマチはトシリズマブで寛解。
⇒「血栓性肺炎」かどうかの記載なし。原疾患(このケースは、リウマチ)による間質性肺炎か?接種による間質性肺炎か?鑑別が重要。
⑥成人発症Still病(AOSD)
58歳女性 。3回目接種後、翌日発熱、5日目皮疹、咽頭痛みとめ、 PSL30mgで軽快。
減量後に再燃。発熱、サーモンピンク疹、咽頭痛、WBC上昇、リンパ節腫脹、肝機能障害、高フェリチン血症あり、成人発症atill と診断した。PSL50㎎+MTXにて軽快。
⇒接種後のAOSDの報告は多い。 mRNAはToll様受容体を介して自然免疫を活性化するかもしれない。
「Toll様受容体」⇒かんたんにいうと、この受容体が活性化すると「発がん」するようです。発がんする場所は、脳、肝臓、前立腺、卵巣のようです。
↓
https://www.cellsignal.jp/science-resources/toll-like-receptor-signaling
⑦関節リウマチ2例
1)70歳女性。3回目接種後に肩肘足関節の疼痛や朝のこわばりあり。
RFと抗CCP抗体は陰性であったが、滑膜炎を認め、 RAと診断。
PSL5㎎ MTX6mgにて改善。
2)73際男性。3回目接種後1週間目に、肩肘手の疼痛あり。
RFと抗CCP抗体は陰性であったが、滑膜炎を認めRAと診断。
PSL5 MTX6mgにて、改善。
⇒接種後の関節痛はよく見られるが、「関節リウマチ」の発症はまれと
抄録にあるが、接種の病態を考えると、Tregが解除されると「自己免疫疾患」が誘発される可能性は高くなるので、関節リウマチや甲状腺疾患などは、「まれ」とは言えない。当然注意が必要になる。
⑧リウマチ性多発性筋炎2例
1)73歳男性。2接種後に肩大腿下腿腰部に腰痛。リウマチ性多発性筋炎(PMR)。
PSL 20mgで軽快。
2)56歳女性。1回目接種後に、熱、多関節痛、頭痛、上腕や股関節の疼痛。
PMRで PSL15mgで軽快。
⇒報告者は、前回、「接種後ANCA関連血管炎」も2例報告している。
⑨53症例の検討の結果、ワク接種が「リウマチ・膠原病疾患の重症化を抑止している可能性あり」と報告。
⇒戸畑総合病院膠原病・リウマチ科の報告。このような?報告もあり。。
⑩リウマチ性患者さんの接種後6ケ月後のスパイクタンパクの抗体価を測定した結果:
陽性率は、91.5%。中央値は65。免疫抑制下でも陽性率は保たれていた。6ケ月後の抗体価は、1ケ月後の抗体価と相関ある。
⑪リウマチ、膠原病患者さんでは、プレドニン10㎎以上の使用患者さんが注意となる。
⑫基礎疾患なく、接種後「自己免疫異常をきたした4例」
1)80歳男性。3回目接種後、全身痛、急性腎不全、血管炎症候群が疑われ透析で軽快
2)68歳男性。2回接種後、体重減少朝のこわばりや肩痛、リウマチ性疾患。対症療法のみ
3)48歳男性。1回接種後、倦怠感、発熱、関節痛、咽頭痛、成人発症still 疑いPSL治療
4)44歳女性。1回接種後に 掻痒性皮疹で尋常性乾癬と診断。3回接種後 多関節痛があり乾癬性関節炎と診断。
⑬接種後の関節リウマチ患者1198例、医療従事者1117例を検討。
RA患者さんの群が「RAの再燃」「間質性肺炎、低補体血症性じんましん、胸水貯留、リウマトイド結節、結節性紅斑らの免疫関連疾患」をきたす例を認めた。
まとめ:
11演題が、副反応を問題視している報告。接種支持は⑨の1演題。あとは、抗体価の演題が1演題。
血液検査で「スパイクタンパク抗体」を測定してほしいが、
九州の先生の報告を読むと、「フェリチン」が高い場合や「補体値」が低い場合も
注意であることがよく理解できる。
「フェリチン」「補体値」の測定は、
後遺症治療されている先生も、保険診療内で測定できそう。🤔
また、治療内容を見ると、
「グルタチオン」「イベル」「漢方」「ビタミン剤」「抗酸化配合剤」なども
リウマチなどの治療に支障なく、使えそうな気もします。🙆♂️
「Toll様受容体」も名前くらい知っておいた方がよさそうです。これが、活性化、発現するとよくない。。
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